2018/05/21働き方改革レポート
ワーク・ライフ・バランスの実現のためには、労働時間、休日数、年次有給休暇の取得に関する事項などを、労働者の健康と生活に配慮するとともに多様な働き方に対応したものへ改善することが実用になる。
厚生労働省では、「労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)」を策定し、事業主およびその団体が、労働時間等の設定を改善するに当たって、適切に対処できるよう必要事項を定めている。このガイドラインを活用すれば、長時間労働の抑制や年休の取得向上に取り組み、社員と会社のWin-Winの関係を築けるはずである。
ガイドラインの基本的な考え方は、以下の3点だ。
労働者が健康で充実した生活を送れるよう、労働時間を短縮して生活時間を十分確保する。
【所定外労働時間の削減】【年次有給休暇の取得促進】
労働時間等の設定の改善にあたって、労使による話し合いの体制を整備する。
労働者一人ひとりの健康と生活に関するさまざまな事情を踏まえて、個々に対応する。
経営者は労働時間等について積極的に理解を深め、自らが主導して、職場の環境を変えるための意識改革や柔軟な働き方の実現に取り組む。
ガイドラインを踏まえて事業主に求められる取り組みのポイントを整理すると、下記のようになる。
労働時間等の見直しを図るためには、それぞれの労働者の抱える事情や企業経営の実態を踏まえ、企業内において労使が十分に話し合うことが重要である。※従業員代表は民主的に選ばれた人のみ有効
(具体的な話し合いの内容例)
・所定外労働(残業、休日労働)や年次有給休暇の取得率の現状を労使で共有
・長時間労働をしている従業員の心身の健康保持や所定外労働の削減方策
・健康面に気をつけなければならない人や育児・介護を行っている人など、特に配慮を必要とする労働者についての対応
・年次有給休暇の取得率の目標づくり
・年次有給休暇の計画的付与制度の導入など年次有給休暇を取りやすくする具体策
年次有給休暇の取得は、労働者の健康と生活に役立つだけでなく、労働者の心身の疲労の回復、生産性の向上など企業にとっても大きなメリットがある。年次有給休暇の計画的付与制度の導入を積極的に進めるなど、年次有給休暇を取得しやすい職場環境を整備する。
(具体的な取り組み例)
・年次有給休暇の計画的付与制度の導入(導入企業では取得率が大きく向上)
・取得しやすい職場の雰囲気づくり。特に上司が部下に対して声掛けをしたり、上司自身が年次有給休暇を積極的に取得することで、雰囲気は大きく変わる
・年次有給休暇の取得状況をこまめに確認する。取得状況が低調であれば、取得向上月間を設けるなどして、取得しやすい環境をつくる
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