2018/05/15コラム
働く世代の、将来の年金の心配を払拭すべく政府が取った対策の一つが働く世代の負担軽減策である。
この働く世代の負担軽減策には、
・短時間労働者を厚生年金に加入しやすくする
・自営業者の産前産後期間の年金保険料を免除する
の2つの方法がある。
働く世代の負担を減らすには、年金保険料を支払う人を増やし、1人当たりの負担を減らせばよい。そこで政府は短時間労働者でも厚生年金に加入できるようにした。
従来は企業に勤めていても週30時間以上働かなければ厚生年金に加入できなかった。それが2016年10月から従業員501人以上の企業で、年収106万円以上、週20時間以上勤務の人ならば加入できるようにした。さらに2017年には従業員501人以上という規定を緩和して、従業員500人以下の企業でも労使の合意があれば短時間労働者(年収106万円以上、週20時間以上勤務)が厚生年金に加入できるようにしたのである。
また政府は、2019年9月までにさらに厚生年金への加入要件を緩和するとしている。
年金保険料を免除することも、働く世代の負担を減らすことにつながる。その一方で、やみくもに免除の範囲を拡大すれば年金財政が悪化する。そこで政府は自営業者などが加入する国民年金において、産前産後期間の年金保険料を免除することにした。
具体的には、出産予定月の前月から出産予定月の翌々月までの4か月間において、年金保険料を支払わなくてもよいことにしたのである。免除制度は以前からあったが、従来の免除制度は保険料を支払わなくてもいい代わりに、将来の年金額も減らされた。しかしこの「国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除」制度は、保険料が免除されても将来の年金額は減らない。
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