2018/05/28コラム
従来のガソリン車やディーゼル車は石油製品を爆発させたエネルギーで走らせる。ガソリンやディーゼルの爆発は制御が難しく、そのためいち早く技術革新できた日本メーカーやドイツメーカーが世界市場で優位に立つことができていた。
世界の自動車市場を驚かせたトヨタのハイブリッド(HV)技術も、ベースはガソリン車である。
一方、EVは電気でモーターを回して走らせる点で「大きなラジコンカー」ともいえる。構造はシンプルで、ベンチャー企業が参入しやすい分野だ。
そのため、EV時代でも日本メーカーが「世界一」を確保できるかどうかは不透明である。
※EV、HV、PHV 、FCVの大まかな違いは以下の通り。
EV: 電気自動車(Electric Vehicle)。電気モーターを動力源としている車。ガソリンを燃やすエンジンは搭載されていない。
HV: ハイブリッド車(Hybrid Vehicle)。エンジンと電気モーターの両方を搭載しているが、充電システムがないので電気モーターだけでは走行できない。エンジンがメイン。
PHV: プラグインハイブリッド車(Plug-in Hybrid Vehicle)。エンジンと電気モーターを搭載していて、充電システムもあるので電気モーターだけでも走行可能。
FCV: 燃料電池車(Fuel Cell Vehicle)。水素と酸素の化学反応で発電した電気で電気モーターを動かす車。
日本国内ではEVはほとんど普及していない。2016年度エネルギー使用合理化促進基盤整備委託費調査報告書によると、2015年のEVは80,511台、PHVは57,130台だった。新車販売台数に占める割合では、EVが0.27%、PHVは0.34%でしかない。
日本のEVを牽引しているのは日産である。2017年に2代目に生まれ変わったEV専用車のリーフは、1回の充電で400㎞もの距離を走行できる。400㎞はほぼガソリン車並みの航続距離であり、充電場所を探す為の余裕も生まれる。
いまだEV専用車がないトヨタ自動車は、マツダ、デンソーと組み、EVを共同開発する新会社を設立する。ホンダは2030年までに「EV、PHV、FCV」の販売比率を3分の2にする。つまり「ガソリン車とHV車」の割合を3分の1にまで下げるということだ。ようやく日本の自動車メーカーが本腰を入れ始めたのだ。
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