投資家が注目する「ESGな企業」とは　環境・社会・ガバナンスが成長のカギを握る

2018/06/25コラム

投資家が注目する「ESGな企業」とは
環境・社会・ガバナンスが成長のカギを握る

ブランド化という間接的な利益

環境問題へのコミットは、直接的な利益だけではなく、ブランド化の確立という間接的な利益も企業にもたらす。環境省は環境情報開示基盤整備事業で、ESGに考慮した活動を行う企業と、ESG投資を検討している投資家の「対話」を促している。ESGを意識している企業が、投資家に直接PRできる場を提供しているのである。

複数の企業が挙げているメリットは次の4点だ。

①環境活動には以前から取り組んでいたが、通常のIRでは環境という切り口で投資家に話せる場面は限られていた。

②ESG投資に取り組む投資家に、自社の環境活動を通じてアプローチできた。

③自社の社会貢献活動と環境活動のつながりを説明したら、投資家から好意的な反応をもらえた。

④投資家は企業のESG関連データだけを見ているのではなく企業の「ストーリー」に関心を持っていることに気づいた。

1つの企業を例にとれば、ある企業では長く環境問題に取り組んでいたが、IR（投資家向け広報活動）だけでは認知度を高めることはできなかった。ESG投資に関心が高い投資家にピンポイントでPRすることで、投資家の関心を獲得することができたのであり、環境活動という「ストーリー」が、企業の新たなブランド化につながるのである。