2018/07/02セキュリティトレンド情報
総務省が企業などに情報セキュリティの強化を呼び掛けている。企業などの重要情報は、IT技術の発達と普及により持ち運びが格段に容易になった。これは業務の効率化をもたらした一方で、盗難リスクを高めてしまった。実際に情報漏洩事件は頻発し、マスコミをにぎわすことが珍しくなくなった。ひとたび情報漏洩が発生すると、企業は大きな被害を受ける。
情報に関する被害は外部からの攻撃も深刻だが、ここでは内部不正についてみていく。企業には、例えば独立行政法人情報処理推進機構が公開している「組織における内部不正防止ガイドライン」に沿って社内体制をあらためるといった対応が求められている。
ある市役所で、市民の個人情報を含むデータ約220万件が、市職員によって不正に持ち出された。この市職員は自宅で仕事をするために持ち出したため漏洩には至らなかったが、市は職員に対し停職6か月という重い処分を下した。別の市では、やはり市職員が68万件の有権者情報を自宅に持ち帰り、外部に流出させた。こちらの市職員は懲戒免職処分となった。
企業では、競合会社に転職する際、元の会社から営業秘密や機械の図面データを持ち出し逮捕された例がある。転職先で有利な地位を得ようと情報を持ち出すケースは多く、盗まれるものは販売戦略や顧客データ、入札情報など、企業の競争力の源泉になるものばかりだ。中には海外企業に流出させた事件もある。いずれも逮捕または懲戒解雇処分を受けていて、動機としては金銭目的や処遇に不満をもった逆恨みなどもある。
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