【オフィスエリア:虎ノ門】虎ノ門大変貌 駅と一体化する虎ノ門ヒルズエリア 国際新都心・グローバルビジネスセンターへ拍車 – 最新記事一覧

2022/08/26再開発レポート

虎ノ門大変貌
駅と一体化する虎ノ門ヒルズエリア

国際新都心・グローバルビジネスセンターへ拍車


霞が関の官庁街につながる銀座線虎ノ門駅や日比谷線虎ノ門ヒルズ駅を中心とする東京都港区の虎ノ門エリアは現在、国家戦略特区として大規模な再開発事業が行われている。今まさに同エリアは国際新都心・グローバルビジネスセンターへと変貌を遂げようとしている。今回は新しく生まれ変わったThe Okura Tokyoや虎の門病院が隣接する虎ノ門ヒルズ駅エリアで新たなに誕生するオフィスビルを中心に紹介する。



虎ノ門駅の江戸城外堀跡


銀座線虎ノ門駅や日比谷線虎ノ門ヒルズ駅周辺は現在、大規模な最先端のオフィスビルが立ち並ぶ印象を受けるが、少し街を歩いてみると、さまざま歴史的な史跡が残されている場所でもある。
虎ノ門の名称は、現在の虎ノ門交差点付近にあった「虎御門(とらごもん)」と呼ばれた城門に由来する。虎ノ門駅11番出口を出て文部科学省連絡通路に入ったところには、発掘調査で判明した江戸城の外堀の一部が残されており、「史跡 江戸城外堀跡の石垣」として地下展示室が設けられて一般に公開されている。
ここに展示されている石垣は虎御門とともに、1636年に肥前国佐賀藩主の鍋島勝茂らによって江戸城の総仕上げとして造られた。石垣表面には石を割った矢穴や担当した大名家の刻印がされており、当時のまちづくりの歴史を学び体験できる。


虎ノ門駅の地下展示室
虎ノ門駅の地下展示室


2023年7月に虎ノ門ヒルズステーションタワー(仮称)誕生


森ビル株式会社は、2020年7月開業の虎ノ門ヒルズ駅と一体化した虎ノ門ヒルズエリアプロジェクトを進めている。
2014年4月に誕生した虎ノ門ヒルズ森タワーに続き、2020年1月に虎ノ門ヒルズビジネスタワー、2022年1月に虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワーが誕生し、2019年11月に着工した虎ノ門ヒルズステーションタワー(仮称)が2023年7月に竣工を予定する。エリア全体の区域面積は約7.5ヘクタール、延床総面積は約80万平方メートルの広さを誇る。国際水準のオフィス、住宅、ホテル、商業施設、インキュベーションセンター、交通インフラ、緑地など、さまざまな都市機能を徒歩圏内に備えた同エリアは国際新都心・グローバルビジネスセンターとして、六本木ヒルズに匹敵するインパクトを有する国際複合都市へと進化を遂げようとしている。
虎ノ門ヒルズエリアプロジェクトは、同社が推進する虎ノ門・麻布台プロジェクトとともに、世界で最も普及するアメリカのグリーンビルディング協会(USGBC)による国際環境性能認証制度「LEED(Leadership in Energy & Environmental Design)」のエリア開発を対象とした「ND(Neighborhood Development)」カテゴリーにおいて、最高ランクのプラチナ予備認証を2021年5月に取得した、都内初の事例でもある。特に今後竣工が予定されている虎ノ門ヒルズステーションタワー(仮称)は敷地面積が約1万3,960平方メートル、総延床面積は約25万5,300平方メートル、オフィスや商業施設、ホテルなどからなる地上49階、高さ約265メートルの超高層タワーが建設される。同タワーは人々の健康やウェルネスに建物が及ぼす影響に着目した「WELL(WELL Building Standard)」の予備認証を取得し、竣工後には最高ランクのプラチナ認証を取得する見込みである。ブルームバーグはアメリカの金融大手ゴールドマン・サックス証券株式会社が、2003年より入居する六本木ヒルズ森タワーから同タワーに移転する計画であるとも伝えている。


位置図
位置図
画像出典:森ビル株式会社「虎ノ門ヒルズエリアプロジェクト」

イメージパース
イメージパース
画像出典:虎ノ門一・二丁目地区市街地再開発組合「『虎ノ門一・二丁目地区第一種市街地再開発事業』着工」


虎ノ門ヒルズ駅直結のT-LITE


虎ノ門ヒルズステーションタワー(仮称)の北側に隣接するマッカーサー通りと呼ばれていた新虎通り(環状2号線)沿いでは、サンブリヂグループの東洋海事工業株式会社が虎ノ門二丁目計画(仮称)の事業を進めており、2022年3月にT-LITE(トライト)が竣工した。同ビルは地上17階、地下2階、高さは約98メートル、総延床面積約2万6,500平方メートルの高層オフィスビルである。隣接するステーションタワー完成後には、虎ノ門ヒルズ駅と地下で直結する。5階~16階までが賃貸オフィスとなり、1階~4階はホールや店舗、会議室、コワーキングスペースなど、17階にはギャラリー併設の空中庭園が整備される。


位置図
位置図
画像出典:サンブリヂグループ「T-LITE(トライト)物件サイト」

イメージパース
イメージパース
画像出典:サンブリヂグループ「東京地区 環状第2号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業」

仕上げ段階に入るT-LITE
仕上げ段階に入るT-LITE


生まれ変わる新日本消防会館


2019年5月に新築移転した虎の門病院正門前と虎ノ門ヒルズステーションタワー(仮称)の西側に隣接した街区では、公益財団法人日本消防協会により新日本消防会館の建設が行われている。
同協会は周辺の再開発にあわせて、築40年を迎え老朽化した旧日本消防会館の建て替え工事を進めている。新会館は地上14階、地下2階、高さ約70メートル、延床総面積約1万6,400平方メートルの高層ビルとなる。5階~12階は消防関係団体等のオフィスとして使用され、3階~5階には多くの人々に親しまれてきたニッショーホールが700人規模から1,000人規模のホールに生まれ変わる。1階と2階には日本消防防災情報センターやホールエントランス、多様な会議室、地下1階と地下2階には飲食店や駐車場が整備される。2021年9月に着工しており、2024年3月に竣工する予定である。


イメージパース
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画像出典:公益財団法人日本消防協会「新日本消防会館の建設について」

建て替え工事中の新日本消防会館
建て替え工事中の新日本消防会館


虎ノ門二丁目地区のオフィスビル建設


代表施行者の独立行政法人都市再生機構と共同施行者の国家公務員共済組合連合会は、新虎通り沿いで新日本消防会館に隣接する虎ノ門二丁目地区第一種市街地再開発事業を進めている。
同事業は病院棟と業務棟に分かれ、すでに病院棟の虎の門病院は新築移転して開院しており、現在は業務棟が2020年9月より着工し、2023年11月に竣工予定である。同ビルは地上38階、地下2階、高さ約180メートル、延床総面積約18万700平方メートルの超高層オフィスビルとなる。業務棟の再開発には日鉄興和不動産株式会社、第一生命保険株式会社、関電不動産開発株式会社、東京ガス不動産株式会社、九州旅客鉄道株式会社、大成建設株式会社の6社が保留床取得者として事業に参加している。


イメージパース
イメージパース
画像出典:港区「虎ノ門二丁目地区第一種市街地再開発事業」

配置図
配置図

虎ノ門二丁目地区の建設現場
虎ノ門二丁目地区の建設現場


傅虎為翼の虎ノ門エリア


江戸城の外堀を守護してきた城門。徳川家康は、青龍、白虎、朱雀、玄武の四神が守護するという四神思想に基づいて江戸のまちづくりに力を注ぎ、東西南北に城門を造ったともいわれる。城の西側を守る虎ノ門はそのうちの1つであり、品川まで続く通路は東海道へとつながる大道でもあった。寅年の2022年が始まり、虎ノ門エリアの再開発に拍車がかかる。
「虎は千里行って千里帰る」と言われ、虎は子への強い想いから一日に千里の道を進み、その千里の道を戻ってくるという。また、これは勢い盛んなことを例えた諺でもあるが、虎ノ門エリアに虎が傅虎為翼ふこいよく(もとから強い力を持っているものが、さらに力をつけること)となって戻ってくる日は近い。




【参考文献】

  • 港区「虎ノ門二丁目地区第一種市街地再開発事業」
  • 千代田区観光協会「江戸城外堀跡(地下展示室)」
  • 公益財団法人日本消防協会「新日本消防会館の建設について」
  • 虎ノ門一・二丁目地区市街地再開発組合「『虎ノ門一・二丁目地区第一種市街地再開発事業』着工」
  • 森ビル株式会社「虎ノ門ヒルズエリアプロジェクト」
  • 日鉄興和不動産株式会社「『虎ノ門二丁目地区第一種市街地再開発事業 業務棟』新時代の国際ビジネス拠点に大規模オフィスプロジェクト 始動」
  • サンブリヂグループ「T-LITE(トライト)物件サイト」
  • サンブリヂグループ「東京地区 環状第2号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業」
  • 株式会社不動産流通研究所「虎ノ門の再開発でLEED最高ランク取得/森ビル」

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