フリーアドレスで働いている人たちの満足度
オフィスは決まった場所に自分のデスクがあるのが、まだまだ一般的。
しかし、固定の席を決めず、個人の仕事に応じて空いているデスクや席、オープンスペースなどを自由に利用する「フリーアドレス」も広く知られています。
では実際に働く社員は「フリーアドレス」をどのように感じているのでしょうか。
今回は、「フリーアドレス」についてアンケート調査を実施しました。
<アンケート概要>
対象:オフィスで働く20〜50代の男女。回答数510名 実施時期:2016年12月
オフィスに浸透していくのはこれから
今回、20代から50代までのオフィスで働く男女510人に現在の就業状況についてアンケート調査を実施しました。

「フリーアドレス」に対する意識調査では、「賛成する」が19%、「反対する」が18%と僅差で、「どちらでもよい」と回答した人が63%となりました。
賛成意見としては、「その時の気分や業務内容に応じて柔軟かつ効率的に仕事を進められるから」(20代 男性)、「コミュニケーションを取りたいから」(40代 男性)などが挙げられ、反対意見としては、「自分の所有物が置けなさそう」(20代 男性)や「席を探すのが面倒そう」(40代 女性)という意見がありました。

また、「現在、『フリーアドレス』のオフィスで働いていますか?」という質問に対して、「働いている」と回答した人たちは15%となり、「働いていない」と回答した人たちが85%と圧倒的多数で、現在のオフィスは固定席が主流ということがわかりました。
このことから「フリーアドレス」が日本の労働環境に浸透していくのは、まだこれからと言えそうです。
「フリーアドレス」を導入した半数が満足している
今後、導入に期待が寄せられる「フリーアドレス」ですが、すでに「フリーアドレス」を採用しているオフィスで働く人たちには好評のようです。

「フリーアドレスで働いている」と回答した人たちのなかで47%もの人たちが「フリーアドレス」に対して「賛成する」と回答しており、「反対する」の8%
を大きく上回る結果となりました。
「賛成する」という意見としては、「定位置を決めないで業務ができるのならその方が効率がいいから」(30代 男性)や、「働き方の形態は多いほうがいい」(20代 男性)といったものがありました。
ここから、実際に「フリーアドレス」で働いている人たちは、その働き方を支持している傾向にあり、肯定的な意見が多く見受けられました。
一方で、「自由で効率が良い反面、監督が難しい」(50代 男性)や「自由な反面、不便さもある」(50代 男性)と「フリーアドレス」の導入を懸念する声も。
とくに今回の調査では、「フリーアドレス」に対して「賛成する」と回答した人たちは、20代、30代に多く、40代や50代の人たちの間では、「管理」「監督」といった側面を考慮して「反対する」と回答した人の意見が目立ちました。
今回のアンケートから、仕事に対して「効率」や「柔軟性」を重視する人たちにとっては臨機応変で自由が許される「フリーアドレス」は、合理的で利便性の高いシステムですが、管理職の人たちにとっては、「フリーアドレス」の利便性を阻害しないように社員を管理、監督するのが難しいという悩みも生み出しているようです。
導入後の社員の満足度が高い「フリーアドレス」。導入を検討されている担当者の方は、マネージメント側と早い段階から運用方法を相談した上で進めると、より快適なオフィス作りができるでしょう。