【オフィスエリア:浜松町・田町】東京の玄関口として魅力が増大中 – 最新記事一覧

2017/01/31再開発レポート

浜松町・田町オフィス~再開発レポート:東京の玄関口として魅力が増大中


東京モノレールで羽田空港に直通でき、東海道新幹線の品川駅へも約6分。その利便性の高さから根強い人気があるのが浜松町・田町エリアである。古き良きビジネス街としての雰囲気を色濃く残すこのエリアが新たな東京の玄関口として生まれ変わろうとしている。両エリアで進む大規模プロジェクトの全貌を追った。


利便性の高さで再注目エリア
浜松町駅前にツインタワー計画



大規模な建築工事が進む(仮称)浜松町駅前プロジェクト。JR線のみならず、東京モノレールも利用でき、羽田空港へも直通。利便性の高いこのエリアに、実に3.2ヘクタールにわたる再開発が進んでいる

大規模な建築工事が進む(仮称)浜松町駅前プロジェクト。JR線のみならず、東京モノレールも利用でき、羽田空港へも直通。利便性の高いこのエリアに、実に3.2ヘクタールにわたる再開発が進んでいる



 羽田空港にダイレクトアクセスできる東京モノレールがあり、新幹線の品川駅まで2駅とビジネスエリアとしてアクセスに恵まれた浜松町。駅前には地上40階建ての世界貿易センタービルがそびえ立っており、巨大再開発地区の汐留シオサイトが存在感を放つなど、ビジネスエリアとして注目度が高まっている。

 一方で、下町情緒あふれる飲食街があり、増上寺・芝大門を自動車が往来するなど古き良き時代との融合が感じられる。ちなみに、芝大門は2016年春に東京都から増上寺に138年ぶりに返還されている。

増上寺の芝大門。門の下を自動車が通る

増上寺の芝大門。門の下を自動車が通る



 朝日新聞の報道によると、芝大門はもともと増上寺の四門の一部だったが、明治4年に東京府(当時)に寄付され、東京市(当時)が木製から現在の鉄筋コンクリートに造り直している。その後、増上寺が返還を求めたものの、東京都の財産目録に見当たらず、返還するにも所有者不明のため返還できない状態だったという。ところが2016年春、増上寺に無償返還されることになった。東京都が数年間にわたって調査した結果、財産目録からの抹消が発覚。無償で譲渡されることになったのである。

 背景には2011年の東日本大震災で瓦が落下し、老朽化による安全性の確保が急務となっていたことがある。芝大門は今後、増上寺によって補修が実施される予定で、浜松町の名所は今後も維持されていくことになった。

 さて、冒頭から余談となったが、浜松町エリアでは2つの大きな再開発プロジェクトが進行している。

 ひとつは世界貿易センタービルの建て替えを含めた(仮称)浜松町駅前プロジェクトである。

 浜松町駅前で計画されているこのプロジェクトの面積は合計3.2ヘクタールを誇り、A街区、B街区に複合施設が5棟建設される予定だ。A街区は4棟が計画されており、高さ200メートル級のA-1棟(世界貿易センタービルの建て替え)とA-3棟をツインタワーとして、両者をつなぐA-2棟、モノレール棟となる。

 B街区では『ニッセイ浜松町クレアタワー』の工事が着工しており、2018年の竣工を目指す。地上29階建て、高さ156メートルで、防災・BCPに配慮した最新鋭のハイグレードビルとなる。9階〜28階までの高層階がオフィスフロアで、低層階には商業施設が入る予定だ。

 さらにC街区の計画も発表された。地上47階建て、高さ190メートル級の高層ビルには400戸の住居や事務所、芸術ホールなどが予定されている。2017年度に組合設立認可し、2021年度の竣工を目指す。


最新鋭のオフィスビルが田町にも
大規模プロジェクトのコンセプト


仮称)竹芝地区開発計画はJR浜松町駅が利用でき、ゆりかもめ「竹芝駅」が最寄り駅。メインの業務棟は地上39階建て、高さ210メートルの高層ビルで、2020年の竣工予定

仮称)竹芝地区開発計画はJR浜松町駅が利用でき、ゆりかもめ「竹芝駅」が最寄り駅。メインの業務棟は地上39階建て、高さ210メートルの高層ビルで、2020年の竣工予定



JR浜松町駅方面から歩行者デッキが整備され、首都高をまたいでビルに直結する計画

JR浜松町駅方面から歩行者デッキが整備され、首都高をまたいでビルに直結する計画



 また、浜松町駅から浜離宮恩賜庭園を抜けた位置で進んでいるプロジェクトが(仮称)竹芝地区開発計画である。

『CREATION PORT(新時代のビジネス港)』を開発コンセプトに掲げた同プロジェクトは、「遥か昔から、人やモノ、お金が行き交い、貿易によって活気が生まれてきた『PORT』を現代とこれからのビジネスの中で必要なCREATION(創造・クリエーション)に特化し進化させていこうという意味が込められている」(鹿島建設株式会社プレスリリースより)という。

 オフィスビルとなるA街区は地上39階、高さ210メートルの高層ビルとなり、新設される歩行者デッキによって浜松町駅からバリアフリーで直結。「羽田空港の『空の港』、竹芝ふ頭の『海の港』、さらに世界最先端のICT基盤を備えた『ITの港』によって、竹芝地区を世界中の企業、人、情報、ビジネスをつなぐ国際競争力の高いビジネス拠点へと変えていく」という。

 新築される高層ビル群によって新しいビジネスエリアとして生まれ変わろうとしている浜松町エリアだが、隣の田町駅でも大規模なプロジェクトが進行している。

JR田町駅前の(仮称)TGMM芝浦プロジェクト。2.8ヘクタールの大規模プロジェクト

JR田町駅前の(仮称)TGMM芝浦プロジェクト。2.8ヘクタールの大規模プロジェクト



「(仮称)TGMM芝浦プロジェクト」とされるJR田町駅直結の大規模複合開発は、東京ガス株式会社、三井不動産株式会社、三菱地所株式会社の3社共同のプロジェクトである。東京ガスの所有地である2.8ヘクタールの土地にオフィス、商業施設、ホテルなどの複合ビジネス拠点を創出する。

 同プロジェクトはA棟、ホテル棟、B棟、生活支援施設棟の4棟が建設予定で、A棟は地上31階、高さ165メートル、B棟は地上36階、高さ180メートルと高層ビルとなる。オフィスフロアは天井高2.8メートルを確保し、災害時にはオフィス共用部、専有部へも72時間の電力供給が可能。最新のBCPスペックを備えている。2018年にA棟、2019年にB棟の竣工を目指す。

 ビジネスエリアとしてアクセスに優れている反面、新築ビルの少なさから印象の薄かった浜松町エリア、そして田町エリアだが、これらの大規模プロジェクトによって街並みが大きく変貌することになる。最新鋭のオフィスビルが建ち並ぶこのエリアの注目度が高まることは間違いないだろう。

※MONTHLY BUILDINGS 2017年1・2月号掲載

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