2017/02/17オフィストレンド

「子連れ出勤」を3年前から実践!
ソウ・エクスペリエンスのオフィス取材【後編】

子育てと仕事の新しい両立のスタイルを実践する株式会社ソウ・エクスペリエンス。
今回は後編をご紹介致します。

【前編】はこちら⇒[会社のピンチから生まれた子連れ出勤]。

2013年から「子連れ出勤」を導入した株式会社ソウ・エクスペリエンス。
前回の取材では定期的に行なわれている見学会に参加して伺った内容をご紹介しました。

今回の後編は、代表取締役の西村琢氏のインタビューです。
スタッフが全員で10名だった4年前、ひとりの女性スタッフが妊娠・出産。
その方に子連れ出勤を提案したことから子連れ出勤がスタートしたそうです。
当時の様子や苦労を西村氏に伺いました。




<目次>
・ダメもとで相談した「子連れ出勤」
・スタッフからの強い要望「土足禁止エリア」
・子連れ出勤は明日からできる
・「働きやすいは、優しさゆえではなく、厳しさゆえ」







ダメもとで相談した「子連れ出勤」


――子連れ出勤を導入している会社は、まだ日本ではほとんどありません。前半の取材記事でもお聞きしましたが、御社は3年前に必要にかられて始めたそうですね。

スタッフ10名の時代に、ひとりのスタッフが産休になり、ほかの9人でフォローするのが現実的に難しくなりました。「子連れ出勤できませんか?」なんてお願いをしたら、嫌がられるのではないかと、思いながらダメもとで相談してみたら意外と喜ばれて。


――そこから子連れ出勤を導入していこう、と。

当時は「制度にしたい」という意識すらありませんでした。実は、会社のメンバーのなかで子どもを持つのは私が一番早かったのです。たまに会社に子どもを連れて来ることもありました。その延長で現在の子連れ出勤につながっていきました。私の場合は、たまに連れてくるという程度でしたが、出産した女性スタッフの場合は毎日子どもを連れて出勤する。これは大きな違いです。


ソウ・エクスペリエンス 代表取締役・西村琢氏

ソウ・エクスペリエンス 代表取締役・西村琢氏




――子どもが成長するといつまでも抱っこしながら仕事、というわけにもいきませんよね。

生れたばかりの方が、子連れ出勤は比較的楽です。2歳くらいになると、動き回りますし、小さなトラブルも起きる。でも弊社では、子どもが10人以上にいたことはありませんし、最大で5人くらいですので、業務に差し障りがあったり、パニックになったことはありません。しかし、小さな問題は常に無限にあります。課題が見つかるとひとつひとつスタッフたちと話し合って体制やルールをみんなで作っているという感じです。


スタッフからの強い要望「土足禁止エリア」


――子連れ出勤のために、社内レイアウトを工夫した部分はありますか?

現在のオフィスは2年前に移転してきたのですが、「土足禁止エリアをどうしても作ってください」と主張する女性スタッフがいました。とても強いメッセージだと感じたので、試しに土足禁止エリアを作ってみたのです。私としては、いちいち靴を脱いだり履いたりしなくてはいけないので、土足禁止エリアは面倒だと思っていたのですが。でも彼女の訴える声の方が、自分の反対したい気持ちより圧倒的に強く感じていたので、「よし、やってみよう」と採用して。


スタッフの要望で作った、土足禁止エリア

スタッフの要望で作った、土足禁止エリア




――実際に、土足禁止エリアの反応はいかがでしたか?

彼女の意見を採用して良かったと思っています。子どもは長く靴を履いているのが苦痛で、すぐに裸足になりたがる。家にいる状態と近い環境をつくることで、子どものストレス軽減になっていると考えています。またこれによって、なんとなく社内に境界線ができ、子どもたちは自然と土足禁止エリア内で過ごす時間が増えました。「土足禁止エリアから出ないように」とは言っていないのですが、子どもたちのメインエリアが自然に決まっています。


子どもたちは主に、土足禁止エリアで過ごしている

子どもたちは主に、土足禁止エリアで過ごしている




――ほかに、レイアウトで区分していることはありますか?

「重要な内容の電話をしているときに、子どもの声が気になる」という意見もありましたが、そういった場合は子ども入室禁止の2階に移動して電話するようにしています。普段は思いのほか大人しい子どもたちですが、たまに大きな声を出したり、泣いてしまうことがあります。子どもの入室を禁止する部屋を作ることも、子連れ出勤を導入するには重要なポイントです。


オフィスの2階「子ども入室禁止エリア」

オフィスの2階「子ども入室禁止エリア」




「子連れ出勤」は明日からできる


――子連れ出勤を導入したいけど、しっかり社内環境を整えるのも大変そうと、二の足を踏んでしまう企業も多いと思いますが。

弊社では子連れ出勤をかっちりとした制度にしたくないと思っています。業種によってそれぞれ社内環境が違うので一概に言えませんが、私たちのような人数規模の会社でしたら「土足禁止エリア」と「入室禁止の部屋」をひとつ作るくらいで、すぐに子連れ出勤が導入できます。トライしてみようと思えば、明日からでもできます。あとは会社に子どもを連れてくるだけです。


――まさか、それくらいの小さな工夫だけで子連れ出勤ができているとは思っていませんでした。みなさん勝手に、ハードルが高いことだと思い込んでいるんでしょうね。

私は子連れ出勤を、特別なことだと感じていません。スタッフが10人しかいないときに、1人が欠けるだけでも運営としては大きな痛手。求人媒体に掲載をして、またスタッフを募集することはとても費用がかかります。もちろんコスト面だけではありませんが、弊社にとって子連れ出勤はさまざまなプラスを生んでいます。

もともと私は男友達とばかりとつるんでいるのが好きなタイプで、この会社を起業したとき、メンバーは男性ばかりでした。起業当時に作っていた商品カタログやパッケージを今見ると、ミニ四駆っぽいデザインであったり、そういう偏りが確かにありました。女性スタッフを増やそうと意識したわけではありませんが、子連れ出勤を導入していることによって自然と女性の求人応募が増え、現在では全体の半分以上が女性スタッフです。ビジネス面でも女性ならではの視点やアイデアが活きている部分が多くあります。


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「働きやすいは、優しさゆえではなく、厳しさゆえ」


――「働きやすいは、優しさゆえではなく、厳しさゆえ」ということをブログで書いていらっしゃいました。これはどのような意味なのですか?

スタッフたちには気持ちよく働いてもらいたいと思っていますが、過剰にサービスをするような気持ちは持っていません。子連れ出勤も社員へのサービスで始まったわけではなく、スタッフがひとり減ると業務が回していけないという現実と、待機児童という厳しい社会問題があったから。スタッフに優しくしようというよりも、厳しい現実を乗り越えるために生まれたアイデアだと思っています。


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――御社は30代のスタッフが多いそうですが、今後両親の介護でフルタイム出勤が難しいという人も現れてくるかもしれませんね。

そうですね。あまり仮説だけで制度は作りたくないのですが、実際に介護の問題に苦しむスタッフが現れた際に、もしかしたら新しい働き方のスタイルを考えるかもしれません。

子連れ出勤を導入していてよくあるのが、子どもが急に熱を出して会社を欠勤。これは子育てをしていたら発生する仕方がないこと。この事態を想定し、業務効率が下がらないよう、スタッフの頭数をもともと多くして今は対応しています。

しかし、今後、会社の近所にお住いの高齢者にシルバースタッフとして入社していただいて、より安定したスタッフ体制にできないかなと考えることもあります。会社にどの程度プラスになるかは、試してみないとわかりませんが、そういう体制になっていく可能性もゼロではありません。


――厳しい現実をクリアすることから「子連れ出勤」が定着していったように、また新しい課題が目の前に現れたとき、時代に合った柔軟な働き方や制度が生まれてくるということですね。今後ソウ・エクスペリエンスがどんなアイデアを提案されていくのかとても楽しみです。本日はお忙しいところ、インタビューにご協力いただきまして、ありがとうございました。


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